書名 重い障害を生きるということ

 著者 高谷清

 出版社 岩波書店

            この本は岩波新書

 初版発行日  2011年10月20日

 内容

 人間の尊厳、人権、その人らしさ、自己実現等など・・・・・大切なことである。
 しかし、ここを深く考えることとか、具体的にどういうものなのだと問われた際、社会科学的な概念をそのまま表現すること以上に万人を納得させるものにどのようなもがあるだろうか。
 この著作のなかに、少しヒントがあると感じた。

 本文を読むとすぐ理解できることであるが、例えば第二章に次のような記述があった。
 「重症心身障碍児にとって、『外面感覚』が『快』であるとともに、『内面感覚』が『快』である状態が大事であることを考え、配慮していくことが大切であろう。外面的、内面的に『快』の状態にあるという感覚的状態は、外部環境を認識・判断したり、自分で移動したりすることができない人たちにとっては、基本的な『生きる喜び』であると考えられる。」
 これは、大脳が機能しない、あるいは大脳が形成されなかった人にとって、健常である人たちのような面白い、悲しい、苦しいなどを感受できない、あるいは面白いとか、悲しいという心の在り方を形成できない人たちにとって喜びは何かということを述べたところの一説である。
 ここで、でてくる外面感覚も内面感覚も健常者が考えるものとは違う。

 医学的モデルから社会的モデル、その流れの中で統合された新たな到達点を感じさせる。